トレムフィア

監修:浜松医科大学医学部附属病院 消化器内科 診療科長/
浜松医科大学 内科学第一講座(消化器・腎臓・脳神経内科学分野)教授 杉本 健 先生

トレムフィア®について

潰瘍性大腸炎が起こる原因は明らかになっていませんが、患者さんの腸管で免疫に異常がみられ、樹状細胞やマクロファージを中心として、炎症に関与する「インターロイキン(IL)」や「腫瘍壊死因子(TNF)- α」などの物質が作られることにより、炎症が起きることがわかってきました※1-2

特にIL-23は炎症を起こす細胞を活性化させることにより炎症を起こし、その結果潰瘍性大腸炎が発症すると考えられています※1-2

トレムフィア®は、炎症や免疫反応に関与しているインターロイキン-23(IL-23)という物質の働きを抑えるお薬です。 IL-23の働きを弱めることで腸管の炎症を抑え、潰瘍性大腸炎の症状を改善させます。

  • ※1杉本健著: 患者背景とサイトカインプロファイルから導くIBD治療薬処⽅の最適解; 南江堂, 2023, p5, 12, 16​
  • ※2仲瀬裕志著: すべての臨床医が知っておきたいIBDの診かた第1版; ⽺⼟社, 2023, p24-45​
潰瘍性大腸炎患者さんのメカニズム(炎症に関与する物質が作られる)と、トレムフィア®の働き(L-23の働きを弱める)を説明する図

トレムフィア®での治療により、腸管の粘膜所見Mayo 0(正常、非活動性)を目指しましょう。

潰瘍性大腸炎において、内視鏡検査は炎症の状態を正しく評価するために重要な検査のひとつです。

内視鏡検査は、きちんと腸管の炎症が落ち着いているか、大腸がんがないかなどの確認にも用いられます。

内視鏡的な炎症の強さ(活動性)は、Mayo Endoscopic Subscoreという尺度が使用され、スコアは0~3で表されます。

炎症の範囲にもよりますが、一般的にはMayo 0は正常・非活動性、1は軽症、2は中等症、3は重症とされています。

-MESを使用した潰瘍性大腸炎の粘膜炎症の内視鏡的スコアリング-
  • Mayo 0:正常か非活動性、Mayo 1:軽症(発赤、血管透見像の減少、軽度脆弱性)、Mayo 2:中等症(著明な発赤、血管透見像の消失、脆弱性、びらん)、Mayo 3:重症(自然出血、潰瘍形成)​
  • 猿田 雅之(2015). 2. 外来でのモニタリング ③薬剤減量や中止のタイミングをどのように決めるか? 日比 紀文、山本 博徳(監修).
    実臨床に役立つ IBD内視鏡-診断・モニタリング・サーベイランス 日本メディカルセンター pp.131-138.​
-MESを使用した潰瘍性大腸炎の粘膜炎症の内視鏡的スコアリング-

コラム

トレムフィア®は完全ヒト抗体製剤です。

人の体内ではウイルスなどの病気の原因となる物質(抗原)は、免疫が働いて異物と認識されると「抗体」により排除されます。

この仕組み(抗原抗体反応)を利用した医薬品が「抗体製剤」です。抗原に対する抗体を人工的に作って体内に入れ、抗原の働きを抑えることで、病気を治療します。

抗体製剤は、特定の抗原タンパク質を標的として結合し、抗原タンパク質が病気を引き起こしたり、進行させたりすることを抑制して、効果を発揮します。

遺伝子工学の技術を用いて作製され、由来となる抗体タンパク質のアミノ酸配列により構造が異なり、従来はマウス由来でしたが、現在はヒト由来のものが主流です(図)。

  • ※1和氣秀徳.: 岡山医学会雑誌 121, 119-122, 2009より改変
掌蹠膿疱症ネット

“IBD LIFE”では潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんに向けて、食事や治療、症状に関する情報のほか、患者さんをサポートする情報を紹介しています。

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