トレムフィア

監修:社会福祉法人聖母会聖母病院 皮膚科部長 小林 里実 先生

トレムフィア®はどのように効くのですか?

トレムフィア®は、IL(インターロイキン)-23という物質の働きを抑えるお薬です。IL-23は、リンパ球に働くことにより、掌蹠膿疱症の皮膚の症状に関係するIL‐17を多く放出させます。トレムフィア®を投与することで、IL-23の働きを抑え、IL-17の放出を減らすことができます。

膿疱が現れるメカニズム

IL-23によってリンパ球が刺激されると、リンパ球が炎症などを引き起こすIL-17を放出し、皮膚や関節の症状が現れます。

トレムフィア®を投与した場合

トレムフィア®を投与すると、IL-23の働きが抑えられ、リンパ球からのIL-17の放出が減ります。それにより、皮膚の症状が改善します。

トレムフィア®はヒト型モノクローナル抗体製剤です

人の体内ではウイルスなどの病気の原因となる物質(抗原)は、免疫が働いて異物と認識されると「抗体」により排除されます。この仕組み(抗原抗体反応)を利用した医薬品が「抗体製剤」です。抗原に対する抗体を人工的に作って体内に入れ、抗原の働きを抑えることで、病気を治療します。

抗体製剤は、特定の抗原タンパク質を標的として結合し、抗原タンパク質が病気を引き起こしたり、進行させたりすることを抑制して、効果を発揮します。遺伝子工学の技術を用いて作製され、由来となる抗体タンパク質のアミノ酸配列により構造が異なり、従来はマウス由来でしたが、現在はヒト由来のものが主流です。

トレムフィア®は、乾癬などで免疫機能に異常をきたし過剰に増えている抗原タンパク質、IL-23を標的とした抗体製剤で、完全ヒト型抗体製剤の1つです。

トレムフィア®はヒト型モノクローナル抗体製剤です

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