クローン病の治療目標
クローン病の治療ゴールは、腸管の炎症を抑えて症状を鎮め、寛解に導くとともに寛解状態を維持することです。
クローン病の治療ゴール
クローン病の原因は今のところ明らかになっておらず、クローン病を完治させる治療法は確立されていません。
クローン病の治療の目的は、腸管の炎症を抑えて症状を鎮め、寛解に導くこと(寛解導入)、そして寛解を維持することです(寛解維持)。
近年はクローン病の治療が進歩したことで、症状を鎮めるだけにとどまらず、粘膜の治癒が治療目標となっています。

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(久松班):
令和6年度 改訂版 潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針 令和7年(2025年)3月31日作成
クローン病の治療の種類
内科的治療と外科的治療があり、主に栄養療法と薬物療法を中心とした内科的治療を行います。
内科的治療
内科的治療には栄養療法、薬物療法、血球成分除去療法があります。
栄養療法 |
次のような治療があります 経腸栄養法/完全中心静脈栄養法 |
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薬物療法 |
次のような治療薬が用いられます 5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤/ステロイド/免疫調節薬/生物学的製剤(抗IL-12/23抗体製剤、抗IL-23抗体製剤、抗TNF-α抗体製剤、抗α4β7インテグリン抗体製剤)/JAK阻害薬 など |
血球成分除去療法 | 炎症に関わっている血球成分を除去します |
2025年6月現在
外科的治療
内科的治療で効果が得られない症状や合併症がある場合に、外科的治療を行います。腸管の狭窄(腸管が狭くなる)に対しては、内視鏡的バルーン拡張術を行うことがあります。内科的治療や内視鏡的バルーン拡張術で効果が得られない場合には、手術を行います。
難病情報センターHP:クローン病(指定難病96)(https://www.nanbyou.or.jp/entry/81)
(最終アクセス日:2025年6月2日)